제4화] 스텝 바이 스테이지! ~내가 댄스 서클의 리더가 될 줄이야! ~~!

第4話「初めてのリーダーらしいお仕事」

期待と不安の試聴会

木曜日の夕方。私は学生会館のサークル室で、久々に大掛かりな準備に追われていた。先週から延期になっていた“曲の試聴会”を、ついに今日開催することになったのだ。

 ノートパソコンを机にセットし、外部スピーカーをつなぐ。音響テストをしながら「ボリュームはこのくらいかな……」と調整していると、後ろからヒョコッと顔を出したのは大谷 翔。
「おお、今日はバッチリ機材揃ってるじゃん。Wi-Fiもちゃんと繋がる?」
「たぶん大丈夫……だと思うんだけど。さっきテストして、問題なく再生できたよ」
 翔が「やった!」とガッツポーズをしてくれるものだから、私もなんだかほっとする。前回はトラブル続きで試聴会そのものが中止になったし、今日は絶対に成功させたい。

「小春ちゃん、何か手伝おうかー?」
 続いてサークル室に入ってきたのは鈴木 真由。今日はまぶしいほどの白いスニーカーを履き、スポーティーなスカートでおしゃれに決めている。髪にはカラフルなヘアピンがいくつも。
「ありがと。じゃあスピーカーの位置、ちょっと離してもらっていい? 左右の音のバランスを試したいんだ」

 私が言うと、真由は軽やかに動いてくれる。いやぁ、こうしてサポートしてもらえると助かるなぁ。リーダーになったばかりの頃は、ただ右往左往するだけだったけど、最近は自分から「こう動いてほしい」と言えるようになってきた気がする。

 その後、佐藤 真琴と宮田 シズクも到着し、部屋にいる人数が一気に増える。真琴はいつも通りのジャージ姿で「やるぞー!」と大声を張り上げ、シズクはクールに挨拶だけして早速資料に目を通している。

「さて、それじゃあメンバーも揃ってきたし、そろそろ始めようか」
 私はみんなを机の周りに集め、手元のメモを見返す。
「今日はまず、曲の試聴と、メンバーからの推薦曲を聴き比べて、最終候補を決めたいと思います。そして、その曲数をどうするか――メドレーか、1~2曲に絞るか――も合わせて話し合いましょう」

 宣言すると、一同は「おおっ」と身構える。真琴なんか、体育会系よろしく「はいっ!」と元気よく返事をしてきて、思わず笑ってしまった。

推薦曲バトル勃発?

 試聴会はスムーズに進む――はずだった。が、やっぱりそこは個性派メンバーの集まり。順番に曲を流すたびに、意見がガンガン飛び交って大混乱だ。

 一曲目、翔の推薦曲は昔のディスコ調のアップテンポ。ビートが強くてダンサブルではあるものの、真琴や真由から「今っぽくなくない?」「観客の反応が微妙そう」と不評。翔が「いや、逆に新鮮だって!」と熱弁するが、シズクは「私もあんまりピンとこないかな……」と一刀両断。翔は肩を落としながらも「絶対盛り上がると思うんだけどなぁ……」とボソリ。

 二曲目、真由の推薦は人気K-POPアイドルのヒット曲。リズムがキャッチーで衣装映えもしそうだが、真琴が「英語の歌詞とか混じってて覚えるの大変そうじゃね?」と怪訝そうな顔。シズクは「別に歌うわけじゃないし問題ないでしょ」とあっさり返し、真琴と軽く火花が散る。真由は「でもこの衣装を着れば絶対可愛いし!」と雑誌の切り抜きを見せて力説する。うーん、また衣装先行だよ……。

 三曲目、シズクの推薦は最新の洋楽ダンスナンバー。クールで洗練されたビートが心地いいけれど、翔が「歌詞が地味っていうか、盛り上がりに欠ける感じ?」と微妙な顔。真琴も「あたしはガンガン踊りたいんだよねー。こんなクールなのだけじゃ盛り上がりづらいかも」と言い、また意見の対立が見えてきた。

 四曲目、真琴の推薦は邦楽ロック系のアッパーチューン。声が響くサビで一気に盛り上がりそうだが、シズクが「ノリは良いけど、ダンスとの相性はどうかしら?」と渋い顔。真由は「衣装が難しそう……」と困り気味。

 そして私・小春が推薦したのは、国内の有名アーティストが手掛けたポップなダンス曲。ヒップホップ要素もあり、メドレーのつなぎに使いやすそうだが、みんなの反応は「悪くないね」くらい。うーん、飛び抜けた支持がないのもつらいところ。

「結局どれも一長一短なんだよなぁ」
 頭を抱える翔。真琴も「なんか決め手がないっていうか、もっとバチッとくる曲ないの?」と困惑気味。

 このまま全部却下になったらどうしよう……と焦りかけた頃、リカ先輩がふらりとサークル室に顔を出した。
「お、盛り上がってるねー。どんな感じ?」
 先輩は就活帰りらしく、スーツ姿で資料を脇に抱えている。少し疲れているのかもしれないけれど、私たちに笑いかけてくれる姿は相変わらず頼もしい。
「えーと、いろんな曲を聴いてみたんですけど、どれも決定打に欠けるみたいで……」
 私が弱音を吐くと、真琴が「いや、決定打はあるよ! ロックでノリノリにやりたいんだ!」と主張し、シズクが「メドレーにするならもっとクールな要素も必要」と切り返す。真由は「可愛さも捨て難いんだってば!」と訴え、翔は「ディスコは? ディスコはどう?」と最後の望みをかける。

「なるほどねー」
 リカ先輩は苦笑しつつ、「せっかくだから複数要素を混ぜたら?」とアドバイスしてきた。
「複数要素……つまり、やっぱりメドレーですかね?」
「そう。せっかく色んな曲があるなら、クールも可愛いもディスコもロックも上手く味付けしちゃえば? まぁ繋ぎが大変だけど、その分みんなの個性が出せるんじゃない?」

 この提案に真琴は「おお、やった! いろいろ踊れるなら楽しいじゃん!」と歓喜し、シズクも「確かにそのほうが、観客を飽きさせないかも」と前向き。真由は「衣装……4パターンは無理だけど、小物とか色味で変化つければワンチャン……」と呟き、翔は「やった! ディスコ生き残った!」とガッツポーズ。

 私はホッと安堵しながら、「じゃあ複数曲を少しずつ繋げる形式で行きましょうか」とみんなに提案した。
「ただし、練習量はめちゃくちゃ増えるし、アレンジも必要になるから、ちゃんと覚悟してね?」
 全員が互いを見合ってニヤリ。「まぁ、やってみないとわからないけど……面白くなるかも!」という空気が生まれた。私の胸に、わくわくする気持ちがじわりと広がる。

アイデアを形に

 こうして“複数曲メドレー”で行くことがほぼ確定し、私はリーダーとしてやるべきことがさらに増えた。曲の構成案をどうするか? 振り付けは誰が考える? 衣装のテーマは? フォーメーションや立ち位置は? 考えるだけで頭がパンクしそうだ。

 そこで私は、「まずは一曲ごとに振り付け担当を割り振ろう」と考えた。全部を一人でやるのは無理だし、メンバーごとの個性も活かせそうだからだ。
「じゃあ、K-POPテイストのパートは真由が中心になって振り付け考えてよ。曲調も明るいし、衣装案も真由がノリノリだったから」
「うん、了解! 任せて!」
 真由がニコッと微笑む。この瞬間、なんとなく“リーダーらしい仕事”をしていると実感できる。

 続いて真琴には、邦楽ロックパートを強く推した手前、「このパートは真琴が作る?」と持ちかけた。すると真琴は「おっしゃあ!」と派手にガッツポーズ。相変わらず声はデカいが、その笑顔を見ると頼もしい。
「アタシの持ち味、全開でいくからね! みんな、ついてこいよー!」
「はいはい、私がついてける振り付けにしてよね……」とシズクが苦笑いする。

 ディスコ調のパートは翔が「えっ、俺も振り付け考えるの?」と戸惑い気味だったけれど、「そこは大丈夫、シズクや真由も一緒にサポートするから」と伝えておく。確かに翔がメインで振り付けを組むのは未知数だけど、意外とアクロバットとか、面白いアイデアを出してくれそうな気がする。
 そしてクールな洋楽パートはシズクが担当。すでに頭の中でカウントを取りながら、鏡に向かってシミュレーションしているらしい。振りの精度が高い彼女に任せれば、仕上がりがスタイリッシュになるだろう。
「で……小春はどうするの?」
 シズクが不意に私を見る。
"어?"
「小春もなんかパート持つわけ? リーダーだから全体見回すだけじゃ物足りないでしょ」
「そ、それは……うん、そうかもしれないけど……」
 私はちょっと戸惑った。自分は踊ること自体も好きだけど、みんなの提案をまとめるので手いっぱいになりそうだし……。
 するとリカ先輩が口を挟む。
「小春は全体の統括役があるからね。でも、その中で小春ならではのアレンジとか、ステージ演出を考えてみてもいいんじゃない? たとえば曲と曲を繋ぐ部分をどう見せるか、とか」
「あ……確かに、その“つなぎ”がメドレーでは大事だよね」
 リーダーとして、全体の流れを把握したうえで、小春なりの演出を加える。これこそ“アイデアを形にする”立派な仕事だ。私は思わず頬を緩めていた。
「よーし、じゃあ私、頑張って“つなぎ”の演出プランを考えてみます!」

ちいさな成功体験

 翌日。私はスマホのメモ帳やノートを開きながら、スキマ時間に“つなぎ”の演出アイデアを練っていた。4つの曲が続くわけだから、ただ曲をぶった切って繋げるだけじゃなく、ダンスや照明の動きに統一感を出したい。

「曲が切り替わる瞬間に、舞台上のフォーメーションを一気に変えて、照明もパッと切り替わるようにしたらカッコいいかも。それを示す合図を……たとえば、一人が手を上げたタイミングで次の曲がスタートするとか……」
 頭の中で思い描いていると、どんどん面白いイメージが膨らんでくる。自分でもこんなに妄想力があるんだ、と思うくらいに集中していた。

 そして夕方、サークル室にてメンバーに提案してみる。
「こんなふうに照明やフォーメーションを一気に変えるイメージなんだけど……どうかな?」
 ノートにはザックリとしたイラストと矢印、そして曲のタイミングが書き込まれている。真琴が「おおっ、これ燃えるじゃん!」と嬉しそうに声を上げ、真由は「確かに、衣装が変わらない分、照明で雰囲気変わるのはアリだね」と納得。翔は「曲の切り替わりでアクロバットを入れてもいい?」と乗り気だ。シズクも「メリハリがあっていいと思う。あとは実際にやってみて合うかどうかだね」と冷静ながら肯定的。

 私はホッと胸を撫で下ろす。自分が考えたアイデアを、みんなが受け入れてくれるのがこんなに嬉しいなんて。リーダーとして“はじめてのリーダーらしい仕事”が、少しは形になった気がした。

コメディは忘れずに

 もっとも、当然順風満帆にはいかない。アイデアを出したはいいものの、実践してみると「想像以上に体力消耗が大きい」とか「照明はスタッフさんに相談しないと分からない」など、問題が次々と浮上する。

 ある日の練習では、曲が切り替わる瞬間に真琴が全力で走りながらターンを入れ、勢い余って翔に激突。二人で盛大に転倒し、周りが大騒ぎ。
「いったぁー、あんた、急にこっちに来んなよ!」
「真琴が突っ込んできたんだろっ!」
 二人が互いに言い合う中、シズクが「はいはい、そこまで」と呆れ顔で割って入る。真由は笑い転げて「演出以前に事故!」とからかい、私も「まさにドタバタ……」と頭を抱える。だけど、みんなが一応ケガなく笑い合えているのが救いだ。

 さらに私が提案した“照明の切り替え”も、リハーサルでは簡易的にスタジオのライトを消したり点けたりするしかなく、「暗転中に誰かが足踏み外して転びそう」とビクビク。
 でも、こういう笑えるトラブルこそ、チームが仲良くなるきっかけでもある気がする。終わったあとに「あの時すごかったよね!」とみんなで語り合うことで、不思議と団結力が増していくのだ。

リーダーとしての手応え

 練習のたびに小さなトラブルは絶えない。でも、私は確かな手応えを感じ始めていた。メンバーが「小春のアイデアを試してみよう」「このパート、こうしたいんだけどどうかな?」と私に相談してくれることが増えたからだ。

「小春がマジメモ魔だから、何でも記録してくれて助かるんだよな」
 ある日、翔がボソッとそんなことを言い出した。
「えっ、メモ魔って……」
「ほら、最初の頃はただみんなの意見を聴いてオロオロしてただけだったじゃん。でも、今は全部書き留めて、後で必要な情報をまとめてくれるから。いざ話し合いの時に役立つじゃんか」
 翔の言葉に、真琴も「たしかに。小春がまとめてくれるから、練習方針とか忘れたときに頼れるよなぁ。つーかアタシはそもそも覚える気が……」と言ってシズクに叱られている。

 私は苦笑いしつつ、でも心の奥底でじんわり嬉しかった。最初は「リーダーなんて無理!」と思っていたけれど、こうやって自分なりに役立てる方法を見つけつつある。みんながちゃんと認めてくれている証拠だ。

打ち合わせの重責、そして一歩先へ

 そして週末、私はリカ先輩と二人で学生会館の事務室を訪れていた。理由は、文化祭ステージでの照明や音響に関する申請書を提出するためだ。

「ステージスタッフの人たちと話す機会、今日しか取れないみたいだからね。ちゃんと小春が必要なことを伝えるんだよ」
 先輩に背中を押され、私はドキドキしながらスタッフ用のカウンターへ。そこには文化祭実行委員会のメンバーが待ち構えていた。
「はい、こちらがステージで使いたい照明や音響のリストになります。曲の切り替わりのタイミングで暗転を入れて、照明色を一気に変えたいんですけど……実際、可能でしょうか?」
 スタッフの人は頭を掻きながら「まぁ完全な暗転は照明の切り替えに数秒かかるけど……できる範囲で協力するよ」と応じてくれた。
「あと、スモークマシンとか使えるんですよね? できればクライマックスで少しだけ煙を出したいんですけど……」
「あるにはあるけど、場所によって火災報知器が反応する可能性あるから、事前にちゃんと場所確認しないと」
「そ、そうなんですね。わかりました、確認してみます」

 交渉は初めてだし、知らないことも多い。だけど、こういう部分まで私が動かないとステージの演出は実現しないんだ。責任は重いけれど、ワクワクも大きい。「やっぱりリーダーって大変だけど、面白いかも」そう感じる瞬間だった。

 打ち合わせが終わって事務室を出ると、リカ先輩が拍手しながら微笑んでくれた。
「小春、いいじゃん。ちゃんと聞くべきことを聞いてさ。最初から比べたら全然リーダーっぽくなったよね」
「いえいえ、まだまだですけど……でも、ちょっとは慣れてきたかな」
 そう答えながら、あのとき先輩に「リーダーやってみない?」と言われた日のことを思い出す。あの頃は「私なんかには無理」って思ってばかりだった。でも今は「やってみよう」「できるかも」と思える。たとえまだ道半ばでも、確実に自分が前に進んでいるのを感じるのだ。

에필로그

 こうして私たちの“メドレー計画”は着々と動き始めた。

  • それぞれが担当する曲パートの振り付けを少しずつ考え、
  • 小春自身は“つなぎ”の演出をメンバーの意見を聞きながら練っていく。
  • ステージスタッフへの打ち合わせも済み、照明・音響プランの大枠も決まりそうだ。

 もちろん、これから先もドタバタは続くだろう。実際、真琴は自分の振り付けに納得がいかずに徹夜しそうだし、シズクは厳密すぎるほどカウントを合わせようとしてメンバーにプレッシャーを与えちゃいそう。真由は「衣装どうしよう……やっぱり小物変える?」と迷走の予感。翔は「アクロバットもっと入れたい!」とわがままを言い出しそう……。
 でも、私はもうあまり怖くない。どうしてもまとまらないときは、みんなで話し合えばいい。そのために私がいるんだから。

「リーダーらしくなったって、先輩にも褒めてもらったし……もっとがんばらなくちゃ」

 文化祭まであと2か月ちょっと。長いようで短い時間の中、私たちは確かな手応えを抱きながら、一歩ずつステージの完成へと近づいていた。

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