Episode 19: Langkah demi Langkah! ~ Aku tidak percaya aku akan menjadi pemimpin dari sebuah kelompok dansa! ~.

第19話「本番ステージ、舞台上で輝く一瞬」

1. 幕が上がる――ロックパート、三人の衝動

 「それではダンスサークルの皆さん、どうぞー!」
 司会の声と共に、大きな拍手とざわめきがステージ周辺を包み込む。観客席を見回すと、想像以上の人だかり。私たちサークルの出番を待ってくれていた人もいるし、通りすがりに足を止めてくれた人もいる。

 舞台袖にいた私、桜井 小春(さくらい こはる)は、強まる鼓動を感じながらそっと深呼吸する。先頭でステージに飛び出すのはロックパートの三人――佐藤 真琴(さとう まこと)、大谷 翔(おおたに しょう)、そして初心者組の中村 咲(なかむら さき)

 イントロが始まり、真琴が声なき雄たけびを上げるように体を沈め、翔と咲がそれを両脇で支える形。サポーター越しの足首に一抹の不安があるものの、真琴の瞳には迷いがない。
 「よっしゃあああ!」
 翔が小さく叫び、咲が鋭い踏み込みを見せる。そこから三人の個性が爆発するように、ステップ、アームワーク、ターンが次々と繰り出される。ロックのビートに合わせて身体を大きく使い、ステージ全体を揺らすような勢い。

 観客席から早くも「おおーっ!」と歓声が起こる。風が吹きつけても気にせず、三人は正面を貫き、まばゆいエネルギーを放出しているかのようだ。真琴も足の痛みを微塵も感じさせないほど、力強い動き。翔はコミカルな色を加えながらも芯の通ったダンスを維持。咲は初心者とは思えないほどキレのある動きで、時々真琴と目を合わせて息を合わせる。

 私は後方の立ち位置で全体を見守りつつ、曲のタイミングに合わせた**“つなぎの演出”**に備える。
 (いい感じ……! みんな最高だ!)


2. クールパート突入、シズクが魅せる静と動

 ロックパートが激しく盛り上がったところで、曲が切り替わる。クール系の洋楽ビートが静かに、しかしハッキリと響いてくる。ここからは**宮田 シズク(みやた しずく)**がメインとなり、別のメンバーたちが合流。
 シズクは落ち着いた表情で床に片膝をつき、深い呼吸をした後、カウントに合わせてスッと立ち上がる。するとロックパートとは対照的な、キレとシャープさが際立つ世界が広がる。

 「5、6、7、8!」
 シズクが無言のうちにカウントを取ると、初心者組数人が同じタイミングで体を揃え、ビシッと動きを合わせる。揃わない部分もあるが、そこは合宿や練習で培った集中力でカバー。演者たちの足さばきが風に揺れながらも、カウントに忠実に響く。

 観客席からは先ほどの熱気とは違う「おぉ……」というどよめきが起こる。ロックパートの激しさの余韻をクールに受け流し、観る側の感情を一段下げるようなこの緩急が、実はとても効果的だと私は確信していた。
 (やっぱりシズク、すごい……!)

 舞台袖で後半に合流するメンバーの一人、真由がひそかにガッツポーズ。私も手のひらが汗ばんでいるが、気持ちは高揚していた。


3. 突然の音量の揺れ、でも動じない

 クールパートがちょうど中盤に差しかかった頃――嫌な予感が当たったように、一瞬だけスピーカーから音がビリビリと割れかける。おそらく機材トラブルの兆しだろう。しかし、シズクをはじめメンバー誰も動じず、カウントを目安に動き続ける。
 スタッフが頑張っているのか、程なくして音割れは収まり、パフォーマンスは維持される。大きな混乱は起きないまま、クールパートは次の局面へ。

 (よかった……みんなあのリハーサルで“逆境慣れ”してるから)
 私は安堵しつつ、次のK-POPパートへとシームレスにつなぐ準備をする。真琴も袖から心配そうに見つめていたが、このトラブル対応がうまくいったのを確認し、ホッとした表情を浮かべる。


4. K-POPパート、真由&初心者女子の可憐さ

 クールパートが終わる瞬間にMayu Suzukiが勢いよく前へ出て、可愛いエフェクト音のイントロと共にK-POP調の曲がスタート。初心者女子たちが真由を囲み、華やかな振りを展開する。
 明るい曲調に乗せたキレのある動きで、観客が手拍子を始める。真由は笑顔満開でアイドルばりのウインクを決め、他のメンバーも腕を振って揃ったステップを披露。合宿や最終練習で苦労していた衣装や小物もちゃんと映えている。

 「可愛い!」「カッコいい!」と観客から声援が飛ぶ。このパートこそ、真由が中心となって力を入れてきたパフォーマンスだ。小物不足や衣装トラブルがあったが、最終的には皆が協力して揃えてきた。
 は袖で次のディスコパートに合流すべくスタンバイをしながら、胸の中に温かいものを感じていた。合宿前はまとまりのなかった初心者組が、これほど堂々と踊るなんて……!


5. ディスコパート突入、アクロバティックな翔&拓也

 K-POPパートが華やかに終わると、場面が一瞬暗転。そこへディスコのイントロが鳴り始め、Sho Ohtaniと初心者男子の**佐々木 拓也(ささき たくや)**が中央に飛び出してくる。
 「ヘイヘイ、いっちょ盛り上がろうぜ!」
 翔が特有の盛り上げ口調で観客を煽り、拓也がちょっとぎこちないながらも軽い跳躍を見せる。ディスコパートは合宿で培ったコミカル×ノリノリの動きが見どころで、観客も手拍子や歓声で応えてくれている。

 拓也は初心者ながら「もっと目立ちたい!」という意欲で独自のトリックステップを練習してきた。ここで披露するかと注目していると、やはりタイミングを見計らって華麗な足さばきを数秒間発揮。微妙にバランスを崩しかけるが、咲がさりげなくフォローして何事もなかったかのように続ける。
 こうした仲間同士のフォローが自然とできるようになったのは、合宿以降の大きな変化だ。客席は笑いと拍手でさらに盛り上がり、会場全体がノリノリの空気に包まれているのを感じる。


6. そしてクライマックス、全員集合のパート

 ディスコパートが最終盤に差しかかると、曲がメドレーの締めくくりに向けて徐々にテンポアップ。ここで全員が舞台へ雪崩れ込むように加わり、フォーメーションが一気に華やかになる。
 ロックパートの三人(真琴・翔・咲)も再びセンターに立ち、シズクや真由、初心者組みが周りを取り囲む。も、その円の外側から全体をまとめつつ踊る。
 (まさに合宿で作り上げた“ラストの見せ場”……!)

 音が最高潮になり、フィニッシュのカウントが迫る。真琴は足首を抑えながらも力を振り絞り、跳躍こそ控えめだけど、しっかりと“最後の振り”を決める。翔が笑顔でウィンクを飛ばし、咲が真剣な顔で腕を振り下ろす。その他のメンバーも、全身を使ってポーズに合わせる。

 Dan,フィニッシュポーズ。全員がピタリと止まる一瞬、野外ステージの空気が凍りついたように静寂になり……次の瞬間、大きな拍手と歓声が会場を包み込む。
 「うわぁぁ……!」
 観客が一斉に声を上げ、手拍子や拍手が途切れる気配がない。私の頬にはいつの間にか涙がこぼれかけているが、笑顔が止まらない。


7. 感涙と抱き合うメンバーたち

 音がフェードアウトして、私たちは舞台袖へ引き上げる。舞台袖に入った途端、みんなの表情がいっせいに崩れていく。
 「やりきった……!」「すごい……あんなに盛り上がるなんて……」
 初心者組は顔を紅潮させて涙を浮かべる者も。真由は「もう……汗と涙でぐちゃぐちゃだよ!」と苦笑い。シズクさえ目を潤ませながら「ふぅ……緊張した」と息を吐く。

 一番キツかったはずの真琴はというと、足を引きずりつつ「うああ……痛え! でも踊れた!」と笑いつつ涙をこぼしている。翔が「真琴ー! マジでお疲れ!」と言って肩を抱き、咲もその輪に加わって三人で抱き合う。私もそばに行き、「みんな最高だったよ!」と声をかけると、全員が嬉しさに泣き笑い。
 さっきまでの不安やトラブルが嘘のように、今は達成感と安堵感が全身を包んでいる。


8. 舞台袖から見える景色、拍手が鳴り止まない

 舞台袖からちらりと客席を覗くと、まだ多くの観客がこちらに向かって拍手を送ってくれている。嬉しさと感動が混ざり合い、胸が熱くなる。
 「もう一回見たいー!」などと歓声が上がっているが、私たちには持ち時間の制限がある。司会が「はい、ありがとうございましたー!」と締めの言葉を発し、次の団体にバトンタッチのアナウンスを始める。

 楽屋に向かいながらも、気持ちが高揚して沈まない。皆が「すごいステージだった」「リハの時はどうなるかと思ったけど、一気に弾けたね!」と口々に語り合う。真由が「曲終わりにちょっと転びそうになったけど、何とか立て直したよ!」と笑いながら報告。

 私が「大丈夫? 怪我してない?」と尋ねると「うん、全然平気! それより客席の熱気がやばかった……!」と真由。こんな風に皆が明るく話している光景を見ていると、リーダーとして本当にやってよかったと思わずにはいられない。


9. 声をかける先輩や友人たち

 楽屋テントに戻ると、Rica Aoyama先輩が「すごかったよ、みんな!」と拍手しながら迎えてくれる。「音割れもちょっとだけあったけど、あれくらい平気平気。むしろパフォーマンスでカバーしてたね!」と興奮ぎみに感想を言う。その笑顔に、私たちの頬も自然と緩む。

 さらに、模擬店を回っていたクラスメイトや他サークルの友人たちが「最高だったー!」「めっちゃカッコよかったよ!」と差し入れを持って来てくれる。真琴は足を引きずりながらも、お礼を言い続けている。咲や初心者組は、「ああ、やっと大舞台で踊れたんだ……」と実感が湧いてきたような顔をしている。


epilog

 本番を終えて少し落ち着いた頃、私たちダンスサークルは楽屋の一角で、まるで合宿を思い出すように円を作って座り、喜びを分かち合う。
 「何か……あっという間だったよね!」
 「うん、リハよりずっと一瞬で終わった感じ。けど、客席の笑顔が見えて嬉しかった!」
 「真琴先輩、足大丈夫ですか?」
 「痛いっちゃ痛いけど、踊りきった開放感で気にならない。たぶん後で激痛来るかもだけど……はは!」
 全員が興奮気味に喋り、笑い、涙を拭う。が自然と出るメンバーもいるが、それは苦しみの涙ではなく感動と達成感の涙だ。

 私も、ここまでの険しい道のりを思い出して胸がいっぱいになる。合宿での衝突や怪我、リハーサルの不調、音響トラブル……いろんなことがあった。でも今、こうしてみんながひとつのステージを踊りきったという事実が何よりも尊く、愛おしい。
 「本当に……最高の仲間だよね」
 自然と口をついて出た私の言葉に、みんなが頷き合う。真琴が力を振り絞ったロックパート、翔や初心者組のアクロバットやキレ、シズクのクールさ、真由の華やかさ。それらが見事に融合し、観客に感動を与えられたのだと確信できる。

 langkah demi langkah――この先も続くかもしれないが、とりあえず今日のステージは大成功と言えるだろう。私たちが一緒に踊る喜びを噛みしめつつ、この瞬間の余韻をいつまでも忘れないように心に刻む。

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